映画「ファーストラヴ」に出演する芳根京子さんに、役作りや演じた感想などを聞きました。
映画「ファーストラヴ」に出演する女優の芳根京子さん。同作は、父親を殺害した容疑で女子大生・聖山環菜（芳根さん）が逮捕されます。事件を取材する公認心理師・真壁由紀（北川景子さん）は夫・我聞（窪塚洋介さん）の弟で弁護士の庵野迦葉（中村倫也さん）と共に彼女の動機を探るため面会を重ねる…島本理生さんの同名小説の映画化です。
オトナンサー編集部では、芳根さんにインタビューを実施。役作りや演じた感想などを聞きました。
北川景子さんとのシーンで涙ボロボロ…
Q.役作りにしたことを教えてください。
芳根さん（以下敬称略）「環菜をどう表現するかによって作品の色が変わると思って、それが怖いと感じました。どう作るかで北川景子さんのお芝居も変わるだろうし、皆さんを翻弄（ほんろう）する役はプレッシャーで、頭を使って役を作りました。
堤幸彦監督とたくさんお話をして詰めました。普段なら感情だけで演じるシーンも、今回は頭を使って作っていきました。だからこそ、自分が思うようにできたときはうれしかったです。普段とは違う達成感がありました」
Q.演じた感想をお願いします。
芳根「環菜の登場シーンはそこまで多くなく、私の撮影は10日くらいでした。なので、どう印象に残そうかというのが頭にありました。あとは北川さんとの最後の面会シーンのリハーサルで、涙があふれてボロボロに泣いてしまって。台本では泣くとは書いていませんが、北川さんの目を見てお芝居したときに込み上げてくるものがありました。でも、本番で同じことをしろと言われても、同じことができる自信がありませんでした。
慌てて堤監督のところに行ってそのことを告げると、堤監督は『カット割りを消したから、同じことをしてくれないと困る』と言われ、困るって言われても困ったのですが（笑）でも、それに応えることが私たちの仕事でもあるので、ドキドキしながら演じました。自信はありませんでしたが、北川さんの目を見たら涙が出てくるので、感情があふれたんだと思います。今回は見え方を意識した役でした」
Q.私生活に影響を与えましたか。
芳根「過去作で一番引きずった役だと思います。感情が出てくると、うれしくても悲しくても、楽しくても悔しくても、怒りでも涙が出てくるタイプです。環菜のことを思うと、何の感情か分かりませんが涙が出るんですよね。それがしばらく続いていました。だから、撮影が終わってからは考えないようにしていました」
Q.この役はどんな位置付けになりましたか。
芳根「どの作品も出合えてよかったと思っていますが、特にその思いが強い役です。自分自身が悩んでいたからできた役で、あの時期の自分以上にこの役をできる人はいないと思いたいです。今の私でもできない、あのときの私だからできました。
本来はそれをいつでもできないと駄目だと思うんです。それを気が付かせてくれて、たくさんのことを教えてもらって、お芝居って楽しいなと強く思わせてくれた役でした。この役から、お芝居の人生が変わると思います」
Q.演じるときに気を付けていることはありますか。
芳根「この世界のどこかにこの人がいるようなリアル感が出るといいなと、どんな役でも思っています。どの役でも、ここにいるんじゃないかなと思えると見ていて楽しいと思うので、リアルさみたいなものを出せるように心掛けています」
Q.理想の女優像を教えてください。
芳根「健康で楽しく、です。一度きりの人生なので、自分が笑顔で過ごせるように心掛けていますが、この仕事をしていて苦しくなったら、違う仕事をすればいいという気持ちでいます。朝ドラのときは、選んでもらったからには結果を残すことが、勝手ながら恩返しになるんじゃないかなと思って演じていたことがあります。
辞めたい、辞めたくないは置いておいて、健康的な生活ができないなら、それは人生において違うかなと思うので、自分を苦しめないようにしようと思っています。このお仕事は一生続けたいとも思いますが、『女優だけじゃない、他の仕事もある』と自分の味方になるようにしています」
映画「ファーストラヴ」は2月11日から全国公開。
スタイリスト：藤本大輔（tas）
（オトナンサー編集部）
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