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Tuesday, April 21, 2020

<支え合う 介護保険20年> 読者からの反響(下) - 中日新聞

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 介護保険制度の発足二十年を伝えた連載「支え合う」では、慢性的にヘルパーが不足している現状を紹介。団塊の世代がすべて七十五歳以上を迎える二〇二五年度には二百四十五万人の介護人材が必要とされ、当事者からは厳しい労働環境の改善を訴える声が多く寄せられている。

 「給料の低さにやっぱり他の仕事を考えないといけないのかなと本当に悩みます」

 名古屋市内の老人保健施設に正社員として勤め、四年になるという介護福祉士の二十代の男性は、そうつづった。

 手取りは月二十万円ほど。ボーナスを含めても年収は三百万円に満たない。結婚を考えている女性がいるものの、「家族を持つには給料が低すぎる」。先輩の給与明細を見せてもらったが、数千円しか違わず、「やっていけるのか」と不安が募る。

 利用者の中には認知症が進み、「家に帰りたい」とベッドの柵を投げる人も。「たたかれたり、つねられたりすることもあり、体にはよくあざができる」という。

 入浴介助などで体力も必要で、「男性の介護職員は職場でも重宝される」という。一方、足腰の弱った女性の利用者が歩くのを誘導する際に、「男性に触られるのは嫌」などと言われたり、手をよけられたりする時も。また、男性の利用者に「女性に対応してもらいたい」「なんだその態度は」などと言われたこともある。

 それでも、「人を支える介護の仕事はやりがいがあって嫌いじゃない」。現在は、市内のデイサービスで新型コロナウイルス感染が広がった例があり、極度の緊張感を強いられ続けているが、「介護の仕事は在宅勤務なんてできない。家での介護が難しくて施設に入所している人たちを、(コロナだからといって)家に帰すことなんて、できるはずない」。

 介護労働安定センター(東京)の一八年度の調査では、七割近い事業所が従業員が不足していると回答。介護が必要な人は今後増える一方で、男性は「このままでは介護が崩壊するのでは。どうしたらいいのか考えてほしい」と話す。

      ◇

 昨年まで十年間、ヘルパーとして働いた岐阜県の女性(70)は「ヘルパー不足はもう何年も前から続いていて、介護事業者は本当に大変。特に訪問介護の分野では、募集をしても全く来ないのが現状」と明かす。背景として低賃金とともに、モラルの低い利用者がいることを指摘する。

 女性は、時期をずらし、二カ所で時給で働いていた。事業所によっては、訪問先へのガソリン代も自己負担だったという。利用者宅の古い掃除機のスイッチが入らない故障が起きた時には、訪問介護で訪れていた女性のせいにされた。事務所が間に入り、弁償を免れたが、経年劣化と思われたケースで弁償をさせられた人もいたという。

 短時間にこなしきれない無理な要求をしたり、真冬に台所でお湯を使わせなかったりする利用者も。仲間からは、セクシュアルハラスメントの被害に遭った話も聞いた。

 一方、女性は「勉強になる人や将来、こういうおばあちゃんになりたいと思える素晴らしい人もいて、やりがいもあった」とつづる。働きたいと思える職場に少しでも近づけるために、「利用者や家族は、最低限のマナーを身に付けてほしい。一時間程度の講習を受けてから、サービスを受けるようにしては」と主張する。

 (佐橋大、細川暁子)

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