中小企業の経営者や個人が契約している保険を活用してお金を借りる「契約者貸付制度」の利用が急増している。保険を解約した場合に戻ってくる「解約返戻金」を担保に、融資を受けられる仕組み。生命保険会社が新型コロナウイルス対策で金利をゼロにしている上、審査なしで迅速に借りられるため、中小企業が当面の運転資金を用立てる例も多い。
制度では、終身保険や養老保険などの積み立て型の保険を解約した際に支払われる返戻金の一定範囲内までを借りられる。各社は金利免除の申込期間を６月末まで１カ月延長し、コロナで収入が減った中小企業や個人を支える。ただ返済できないと保険が失効する恐れもある。
大手生保は３月１６日から、新規貸付金利を９月末までゼロとする措置を開始。今月上旬までの法人向けの新規融資件数は、日本生命保険が５６１７件で前年の同じ時期と比べて３．７倍となった。第一生命保険は３．７倍の約１０４０件、明治安田保険も２．９倍の約９００件に増えた。
中小企業の支援では国が最大２００万円を手当てする「持続化給付金」の支給も今月８日に始まったが、まだ振り込まれていないケースも多い。銀行を通じた実質無利子の緊急融資も一定の時間がかかるため、手元資金を急いで確保したい中小企業が契約者貸付制度を使っている。
個人契約者の利用が大半を占める住友生命保険でも、新規融資額が約１．５倍の約１３５億円に増えている。
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May 20, 2020 at 03:00AM
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中小、保険活用し運転資金 「契約者貸付制度」の利用急増 - SankeiBiz
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