
■学生の特例を使うより保険料を納付することのメリット
改めて「学生納付特例制度」を確認してみましょう。これは申請により、在学中の国民年金保険料の納付が猶予される制度です。ここで気を付けるべきなのは「免除」ではなく、「猶予」であることです。 この点について、もう少し説明します。将来、年金を受け取るには、原則として保険料の納付済期間が10年以上必要です。学生納付特例で「猶予」となった期間は、この年金の受給資格期間には含まれます。ただし、「免除」ではないので、そのままでは将来受け取る年金額に反映されません。10年以内に納付(後から遡って納めることを「追納」といいます)をしなければ、年金受給額が減額されてしまいます。 年金は老後を中心に、生きている間中受け取れるお金です。仮に生活費に十分ではなかったとしても、細く長くもらい続けられるようにしたいもの。しかも、受け取れる金額はできる限り多くしておきたいところです。ところが、学生納付特例を利用し、追納を忘れてしまうと「猶予」しなかった場合に比べて将来の受給額は減額になってしまいます。そうなるくらいなら、義務が生じた時点からきちんと収めておく方が好ましいのではないかというのが、おすすめする第一の理由です。 それだけではありません。20歳になると個人型確定拠出年金、iDeCo(イデコ)、つみたてNISA(積み立て型の少額投資非課税制度)など税制優遇を生かした投資をすることができます。特に私的年金制度のiDeCoにおいては、「第3号被保険者」と呼ばれる会社員や公務員の配偶者を除くと、国民年金保険料を納めていることが、制度を利用できる、つまり掛け金をかけられる条件となっています。 掛け金が少額であっても、将来の年金を作るにはiDeCOは良い制度ですし、長く投資で運用できれば、資産を大きく増やせる可能性も高い。学生で第3号被保険者に該当する方はごく限られるでしょうから、iDeCOを始められるようにするうえでも、特例を使わずに学生のうちから年金保険料を納めることをおすすめします。
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