今年から本格的に始まる予定だったユニバーサルヘルスケア(国民皆保険)法に基づく皆保険制度の実施が延期される見通しになった。フィリピン健康保険公社(フィルヘルス)のモラレス総裁が16日、同制度に関する議会合同監視委員会のオンライン聴聞会で延期を勧告した。新型コロナウイルスの大流行のため医療費が激増し、政府予算の手当てが不十分なうえに保険料徴収も落ち込んでいるためという。17日付英字紙インクワイアラーが報じた。
この勧告に対して、同委員会委員長のボン・ゴー上院議員は「公社の資金が足りなくなったと突然言われても困る。健康保険は非常に重要だ」と述べ、財務省と予算管理省に対し、公社の予算上の懸念に直ちに対処するよう求めた。
モラレス総裁は、コロナ禍関連の支出が今年2月からの1年間で407億ペソにのぼる見通しだとした上で、今年5月までの保険料徴収が前年同期の10分の1に減少しており、年間で約1千億ペソの赤字になる可能性を指摘。「公社としては、皆保険制度の実施、プライマリーケア(かかりつけ医などの初期治療)の給付拡大を遅らせることを推奨する」と述べた。
総裁によると、現状では1千億ペソ規模の赤字が2024年まで続く見通しという。国民皆保険制度の実施計画に議会が認めた今年の予算額は713億5千万ペソで、当初要求額1530億ペソの半分以下。21年予算については公社側は1380億ペソを要求している。
聴聞会では、ロドリゲス下院議員(比中道民主主義党、カガヤンデオロ市選出)が、フィリピン病院協会(733病院加盟、計4万4700床)の声明を引用して、病院側への未払いの治療費180億ペソの支払いを公社に求めた。
ドゥテルテ政権は昨年2月、全国民を対象に医療サービスの一部無料化や負担軽減を盛り込んだ国民皆保険法を成立させた。従来の健康保険と違って、失業者ら保険料を支払っていない国民も無料で医師の診療や検査が受けられる制度で、昨年末から一部地域で試験実施、今年から本格実施する予定だった。財源は付加価値税(VAT)だったが、ドミンゲス財務相は5月初め、コロナ禍でVATが大幅に落ち込んでいるとして同制度への支出を見直す可能性があると発言していた。(谷啓之)
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June 18, 2020 at 01:09AM
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国民皆保険の実施延期へ 健康保険公社総裁が勧告 - 今年始まる予定だった国民皆保険制度の実施が延期を比健康保険公社のモラレス総裁が勧告した - 日刊まにら新聞
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