菅義偉官房長官が自民党総裁選で訴えている「不妊治療への保険適用」が議論を呼んでいる。少子化対策の柱の一つとして掲げたものの、支援策の詳細を語っていない。実施するには解決しなければいけない課題も少なくない。
「総裁候補として発言した内容だ。総裁になってから考えたい」。菅氏は9日の記者会見で、保険対象に考える治療の種類や導入の時期などの具体的な政策の中身について重ねて問われたが、ほぼ同じ言い回しを繰り返した。一方で、「出産のハードルをなるべく下げていく取り組みは極めて重要だ」との考えは強調した。
菅氏は8日の党本部で行われた演説会で、「出産を希望する世代を広く支援をするために、不妊治療の保険適用を実現する」と訴えた。9日の自民党青年局・女性局主催の討論会でもアピールしたが、この席場でも具体策は語らなかった。
政府は今年、5年ぶりに見直した「少子化社会対策大綱」の中で、不妊治療について「適応症と効果が明らかな治療には広く医療保険の適用を検討し、支援を拡充する」とした。ただ、保険適用の実施に向けた議論の先行きは見えていない。厚生労働省内では「検討事項が多く、時間がかかる」との声がある。
現行の制度でも、不妊の原因検…
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