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Sunday, January 16, 2022

保険各社、競う支払い迅速化 広がるAI活用 - ITmedia

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産経新聞

 保険各社が人工知能(AI)などのデジタル技術を駆使した保険金や給付金の支払いの迅速化を競っている。事故査定のAI審査や、事故受け付けから支払いまでの完全自動化など各社とも“国内業界初”の取り組みとして技術力のアピールに躍起だ。ただ、AI審査の限界を指摘する声がある他、各社の技術の説明表現は似通っており、消費者にはその差異がつかみにくいのも課題だ。

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 現在、損害保険各社が競い合うのが、マイカーなどにかける自動車保険の車両保険における支払いの完全自動化だ。複雑な示談交渉や修理金額の見積もりの必要のない単純な事故ならば、事故で車両が破損した部分を撮影した写真などをAIが分析、査定額を算出。専門人材を介さず保険金の支払いまでを終えられ、支払いまでの時間を大幅に短縮できるという。

 まず、2019年11月に当時の損害保険ジャパン日本興亜(現損害保険ジャパン)が、AIでクルマの事故部分の写真を分析し修理の見積金額を自動化するサービスの開始を”業界初”として発表した。その後、東京海上日動火災保険や三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険といった大手損保各社が同様の事故査定サービスを開始している。

 21年11月には、損保ジャパンが国内初導入を目指して、AIを使い、保険の査定だけでなく支払いまでを無人化すると明かした。保険金の支払いまでの時間は従来の約2週間から30分程度にまで大幅に短縮できるとアピールし、業界を沸かせた。

 それに対抗するように東京海上は同月、AIを使い、事故の受け付けから支払いまでの全工程を22年2月から完全無人化すると宣言。負けじと損保ジャパンも22年度中に、無料通信アプリ「LINE」を通じて質問に答える形で、受け付けから支払いまでを無人化するシステムの導入を発表した。

 ただ、過熱するこの迅速化競争を不安視する声もある。ある自動車整備工場の関係者は「内部の損傷や車体のゆがみなどは、外装の損害の写真から判断するのは不可能だ」と指摘。三井住友海上の幹部も「査定精度を高めるなら専門人材のチェックも必要」と話す。

 一方、生命保険業界は診断書など画一的な書類をAIで分析するため、デジタル技術の導入で支払いが迅速化しやすいようだ。明治安田生命保険は現在、2〜7日程度かかる医療保険の給付金などは、22年度以降は申請してから入金まで5分以内にしていくという。住友生命保険も22年1月から診療明細をAIで分析し、入院給付金の支払いを最短で退院翌日に完了する取り組みを始める。(西村利也)

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