“東北のゴジラ”が苦しんでいる。楽天ドラフト2位の安田悠馬捕手(22=愛知大)から、快音が響かない。

オープン戦はここまで4試合に出場して10打数無安打。「やっぱりプロのピッチャーの方は、捉えたと思ってもミスショットとかファウルになってしまうことが多かった。バッティングも守備も課題が山積み」と表情を固くした。結果が出ず、壁に当たっている。

石井GM兼監督は、そんなルーキーの姿を優しく見守っている。「壁の近くまで行ってる、ということは前進してることだから、いいんじゃないかなって僕は思います」。キャンプでは、フリー打撃でバックスクリーンを越える打球を放つなど、豪快な打撃を発揮。練習試合でも臆せずスイングし続け、「4番捕手」に抜てきされるなど、アピールはしてきた。指揮官は「ドラゴンクエストで言えば、ちゃんとボスまでたどり着いてる。そこらへんをフラフラ歩いて、敵を倒しても面白くないじゃないですか。それと一緒で。そこをクリアして次のステージに行ける。今はそういう経験ができているからいい」と評した。

現役時代は投手としてアメリカのマウンドを経験した石井GM兼監督。安田の打撃を見て「僕だったら、まだまだいろんな打ち取り方ができる」と話す。まだまだ粗削り。厳しく内角を攻められたり、変化球を振らされて三振することもある。「それがそがれていって、いいバッターになっていけるのか、いけないのかというところ。そこは成長段階では必要なこと。順調にいってシーズンで苦しむよりは、今のうちにしっかりと壁の前に行けている。僕はある意味順調かなと思います」とうなずいた。

あとは壁をどうぶち破っていくか。安田は「バッティングは自分の方からボールに向かっていって詰まっていた。それを直そうと思っています」と前を向く。練習を重ねて、成長の毎日。これからどんな打者になっていくのか。“ゴジラ”の進化過程から、目が離せない。【楽天担当 湯本勝大】