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Tuesday, October 4, 2022

笠井信輔・茅原ますみ夫婦登壇「泣き虫の妻が私のがんのことでは一度も泣かなかった」“がんじゃない”一転、判明まで4カ月 - 株式会社ヘッドライン

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 映画『愛する人に伝える言葉』トークイベントが4日、都内にて行われ、ゲストとしてフリーアナウンサー・笠井信輔、茅原ますみ夫妻が登壇。夫婦そろってメディア向けイベントに登壇するのは初という2人が、がんを宣告された主人公と家族を描く映画に思いを語った。

 名女優カトリーヌ・ドヌーヴと、本作でセザール賞最優秀主演男優賞を受賞したブノワ・マジメルが共演する話題作。がんを宣告された主人公とその母親が、限られた時間の中で「人生のデスクの整理」をしながら、穏やかに死と対峙していく過程を描く感動作。

 自身も悪性リンパ腫によって4カ月半もの入院経験を持つがんサバイバーである笠井アナは「血液がんは一生付き合っていくがんとはいえ自分は健康に戻してもらい、主人公と生還した自分との違いを考えてしまった」と感慨深げ。

 実際の現役がん専門医が主人公を支える医師役を演じている本作。劇中で医師が語る言葉の数々にも共感した様子。「最も響いたのは“旅立つ許可を与えましょう”と言う言葉。これには、1日でも長く生きていてほしいという家族の思いがある一方、亡くなるタイミングを決めるのは患者本人だということが込められていると思う」。

 自身の闘病経験とも重ね合わせながら映画を見たという笠井アナ。「僕のときは『とくダネ!』司会(当時)の小倉(智昭)さんが1年前にがんになっていて、それを見ていたのですぐに、がんじゃないかと分かった。ところが2つの病院で“がんではありません”と言われて」と、悪性リンパ腫の告知を受けるまで4カ月かかり、ステージ4と診断されたという経緯を明かし「でもお医者さんから、最初の病院を恨んではいけない、悪性リンパ腫はとても分かりにくい病気だと言われ、実際に、がん患者仲間の話を聞くとそういう人が多かった」と振り返った。

 告知を受けたときは「悔しくて泣いてしまいました。会社辞めてフリーになってこれからというときでしたから。なんでオレが、なんでこのタイミングでと思いました」と当時の心情を赤裸々に明かしつつ「その一方で、それまでの生き方、働き方は間違っていたと言われた気がしました」と述懐。

「不思議なのが、バターを塗ってなくても(頭が)光るんです」とユーモアを交えつつ、抗がん剤治療で毛髪が抜けた状態など、当時の写真を見せながら自身の闘病の様子を伝えた笠井アナ。自身の経験を踏まえ、がん患者のアピアランス(見た目)や、コロナの影響による孤独さを改善するためにもネット環境が大切といった課題も訴えた。

 さらに、大きな助けとなったのは家族の存在だったと振り返り「うちの妻はちょっと泣き虫でして。息子たちからも、また母さん泣いてるよとよく言われてるんですけど、私のがんについては一度も涙を見せなかったんです」と明かし、笠井の妻で、同じくフリーアナウンサーの茅原ますみを呼び込み。

 自身の母をがんで亡くしているという茅原アナは、その際にはがんであることを伏せ続けたと言い「母のときにはあきらめてしまったが、笠井が告知されたときは大丈夫だと思った。私はアナウンサーなので言葉の力を信じていて、大丈夫だと言い続けていました。私は元気を与える係なんだと思い過ごしていました」と、涙を見せなかった理由を明かした。

 一方で、PET検査の結果を見たときには「全身に(マーカーが)光っていたのを見たときは寒気がしたんですけど、お医者様が、1つしかないからいい、3つあるからダメと言うわけでもないんですよと言われ、3つどころじゃないんだけどと思いつつ、抗がん剤が血液に乗って全身に回るんだと思って」と前を向いたと語り「お医者様から何か聞きたいことはと言われ、普通は治療の質問をすると思うんですけど、この人、いつ復帰できますかと。それを聞いて、この人死なないなと思いました(笑)」と振り返った。

 また茅原アナは、医師から言われた印象的な言葉として「毎日(見舞いに)来ないでください、来たってやることないですよと言われたんです。お医者様が言うには、家族は第二のがん患者だと。頑張りすぎてはいけない、月水金のゴミの日にでも来ればいい、と。私も、これはいろんなご家族にお伝えしたい」と、患者を支える家族への思いも語った。

 夫婦でメディア向けイベントに登壇するのは初という2人。ときおり照れながらも家族で支え合った闘病の日々を振り返っていた。

 映画『愛する人に伝える言葉』は10月7日より公開。

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