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Sunday, April 26, 2020

「保険料を払うことで誰かを助けられる」 わりかん保険の透明性が導く本質 - ITmedia

 「自分が払った保険料で、(がんにかかった)その人を助けられる。その詳細が分かることで、払ったお金が誰かのためになっていると実感できます」

 保険スタートアップのJustInCaseが提供するがん保険「わりかん保険」について、加入者の一人(20代女性)は、こう話した。わりかん保険は、加入者の間で誰かががんになったときだけ、その人に払う保険金を、みんなで“わりかん”して支払う、新しい形の保険だ。中国や欧米では、P2P保険として、急速に加入者を増やしている。

 いくつかの特徴があるなかで、保険の本質に迫る点が、保険の原点である「助け合い」をテクノロジーの力で蘇らせたところだろう。自分の払っている保険料が、がんで困っている誰かに渡されて役に立っている。それを実感できるように、もし誰かががんになったら、性別、年齢、どんながんだったのかを、加入者に連絡する仕組みを用意している。

がんになった人数によって保険料が決まる。そのとき、どんな人ががんになったのか、概要を知ることができる(画面はサンプル)

 こんな助け合いの考え方が共感されるのは、マーケティングとセールスで固められ巨大化した既存の保険商品に対する不信感も背景にある。

 「“みんなで助け合う”に共感を持っている。既存の保険商品では、加入者が増えているのか、自分以外にいるのか、誰がいるのか、それが分からなかった。保険金が活用されている実感がない」と、別の加入者(20代女性)は話す。

 既存の保険では、保険料は保険会社に支払うものであり、それがどのように病気などで困っている人に渡っているのかは、知りようがない仕組みだ。もともとは助け合いだった保険が、高度化し企業活動となる中で、助けている相手の顔が全く見えないものに変わっていった。

 40代男性のある加入者は、わりかん保険の魅力をこう話した。「保険は本来、マンション管理費のように、みんなで払ってみんなのために使うもの。なぜか保険の場合、そういう商品はなくて、何にどう使われたかは一切オープンにならない。そこに不満があった。わりかん保険の場合、自分のためではなく人のために払う。そこがいい」

現在、保険料はゼロ円 圧倒的なコストパフォーマンスだが

 もう一つ、加入者が口々に話した特徴は、保険料の安さだ。誰かががんにかかった時点で保険金を割り勘するため、逆にいうと、誰もがんにかからなければ、保険料はゼロだ。現在、JustInCaseは加入数を公表していないが、サービス開始から、2月、3月、4月と、一度も保険料は発生していない。

 加入者の30代女性は「本当にゼロ円なんだ、というのはメリット」だと話す。加入も簡単だ。販路の一つとしてLINE Financialと提携しており、スマホからならLINEにログインすることで、入力する契約者情報を補完させることもできる。

 もし、誰かががんになった場合も、支払う保険料には上限が設けられている。39歳までは500円、54歳までは990円、74歳までは3190円だ。たまたま一度に多くの人ががんになっても、支払い額が急に膨らむこともない。

 しかし、保険料がゼロであっても、システムとしての保険の運営にはコストがかかる。保険会社であるJustInCaseの取り分は、支払う保険金に上乗せした35%だ(加入者増加に従って引き下げる)。これは、誰かががんになって保険金支払が発生しなければ、保険会社に収入がないことを意味する。

 「(わりかん保険は)まだ始まったばかりで、保険料そのものもゼロのまま。人が集まらないと付加保険料分が足りないのではないか? ちゃんとした保障として、老後まで見通したときに安定感がどうなのか」

 もともと保険業界にいたという60代の男性加入者は、こう不安を話した。保険は、統計と大数の法則に基づいて、一定の数まで加入者が集まれば、想定どおりの保険料と保険金の支払いが見込まれる。既存の保険の“不透明さ”をなくし、助け合いという本質に迫るわりかん保険。安定して事業が存続できるかを決めるポイントは、加入者数になるだろう。

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April 27, 2020 at 05:20AM
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