生命保険大手が、インターネットを活用し、顧客に直接会わない「オンライン営業」の取り組みを相次いで打ち出している。新型コロナウイルス禍で、営業職員が顧客のもとへ何度も通って信頼関係を築く伝統的な対面営業が見直しを迫られたためだ。
「医療保障の説明をしましたが、請求漏れはないですか？」。8月下旬、東京・丸の内にある日本生命の営業拠点で、職員の木村恵梨子さん（33）がタブレットの画面越しに顧客へ呼びかけた。業界最大手で約5万人の営業職員を抱える同社は6月、東京や大阪などにある13拠点で、オンライン営業のしくみを実験的に採り入れた。顧客のパソコンやスマホと、営業拠点にあるタブレットとの間で画面を共有し、同じ画面を見ながら電話で話す。カメラを使い、お互いに顔を見ながら話すこともできる。こうしたオンライン営業を10回ほど経験した木村さんは「不便さは感じない」と話す。
同じ拠点で働く職員の細川安由美さん（28）も「移動時間が減り、対応できるお客様が増える」と導入のメリットを語る。一方、直接会うときに比べ、「お客様が何か言いたそうな雰囲気をつかむのが難しい」ともいう。
日本生命は今後、こうしたしく…
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