マイナンバーカードと健康保険証の機能を併せ持つ「マイナ保険証」を4月から病院などで使った場合、患者が窓口で支払う医療費が増える。3割負担の人は初診時に21円、再診時に12円上乗せされる。マイナ保険証は政府が昨秋に本格導入したものの普及が遅れており、取り組みを促すために対応病院の診療報酬を引き上げるからだ。唐突な患者へのしわ寄せに反発の声も上がっている。
マイナ保険証は政府のカード普及策の一つで、患者の健康情報を治療に生かす「データヘルス」の基盤に位置付ける。医療機関でマイナ保険証を機械に読み取らせれば本人確認ができ、医師らが患者の同意の下、薬の処方歴や特定健診の結果を見て治療に生かせる。今夏には手術歴なども見られるようになる。
こうした仕組みの活用には、医療機関が読み取り機などを設置する必要がある。政府は2023年3月までに全国の病院や診療所、薬局約23万施設に導入を目指すが、今年3月20日時点で運用を始めたのは14%。遅れの一因に、費用負担を不安視する医療機関があると指摘されてきた。
仕組みの導入補助や維持費には税金などが投入されてきた。厚労省はさらなるてこ入れのため、22年4月の診療報酬改定により、マイナ保険証で受診した患者の情報を活用した医療機関は1人につき月1回、初診時70円、再診時40円、薬局の調剤時30円の診療報酬を受け取れるようにした。公的保険で医療費の負担が3割の患者は、初診21円、再診12円、調剤9円の追加負担が生じる。
マイナ保険証の対応施設では、従来の保険証で受診した場合も、24年3月までは初診時に30円の診療報酬を加算する(患者の3割負担は9円)。厚労省は仕組みが普及すれば「広く患者にメリットがある」との立場だ。
一方、全国健康保険協会(協会けんぽ)の安藤伸樹理事長らは、マイナ保険証を使わない患者も負担が増えるのは「ペナルティーと受け取られかねない」と指摘。患者や医療機関への影響を検証するよう求めている。
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