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Wednesday, June 24, 2020

収入保険と野菜価格安定制度 同時利用可能に 21年 - 日本農業新聞

 農水省は24日、農業経営の収入減少を補填(ほてん)する収入保険制度と、野菜の価格下落時に補給金を交付する野菜価格安定制度の同時利用を2021年から1年間、可能にすることを明らかにした。両制度は選択制だが、両方に加入できるようにする。加入の状況や利点、課題などを検証しながら、両制度の在り方を検討する方針だ。

 両制度は減収を補う仕組みがそれぞれ異なる。野菜価格安定制度は産地単位で活用され、価格下落時に一定の基準に基づいて補給金を支払う。収入保険は、災害時の減収を含め、保険期間の収入が農家ごとに定める基準収入の9割を下回った場合、補填金を支払う。農家は、どちらか一方にしか加入できなかった。

 両制度を同時利用する場合、農家は、収入保険の保険料と積立金、事務費に加え、野菜価格安定制度の生産者負担金を支払う必要がある。収入保険の保険期間中に野菜価格安定制度の補給金を受け取った場合は、収入保険の補填金を計算する際に、その額を考慮する。

 収入保険の創設を盛り込んだ18年4月施行の農業保険法は付則で、施行後4年をめどに両制度や農業共済など農業保険制度の在り方を検討し、必要な場合に所要の措置を講じると規定している。同省は、これを踏まえ、同時加入の実績などを検証し、22年にも必要な見直しを講じる方針だ。

 同省は「現時点で対応は決まっていない」(保険課)とし、農家の意向も踏まえて制度の在り方を検討する考え。JAグループは野菜価格安定制度の維持と収入保険との同時利用を求めていた。

 収入保険の加入実績も公表。20年4月末時点で個人3万1803経営体、法人2920経営体の計3万4723経営体。前年から1万1911経営体増えた。だが、事業主体の全国農業共済組合連合会が22年度を見据えた目標に掲げる10万経営体には届いていない。

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